車椅子の選び方|自走式・介助式・多機能タイプとクッションの違い

車椅子は「座って移動できればよい」道具ではありません。身体に合わない車椅子は、こぎにくさ、介助のしにくさ、ずり落ち、痛み、皮膚への負担につながることがあります。

この記事では、自走式・介助式・多機能タイプの違いと、座面やクッションの見方を理学療法士の視点で整理します。

先に結論
車椅子は「利用者の身体」「行きたい場所」「介助する人」「住宅や車」の4つを一緒に見て選びます。カタログの機能が多いほど良いとは限りません。

自走式・介助式・多機能タイプの違い

自走式

後輪に大きなハンドリムがあり、本人が手でこげるタイプです。足で床を蹴って進む場合にも使われます。自分で動ける可能性を残せる一方、座面の高さや後輪の位置が合わないと肩や手に負担が集中します。

介助式

後輪が小さく、介助者が押すことを前提にしたタイプです。折りたたみや車への積み込みがしやすい製品がありますが、本人が自分で方向を変えにくい点を確認します。

モジュール・多機能タイプ

座面高、肘掛け、足台、背張りなどを調整できるタイプです。肘掛けや足台が外れると、ベッドやトイレへの移乗が楽になる場合があります。リクライニングやティルト機能は姿勢変換に役立ちますが、操作方法と転倒防止を理解して使う必要があります。

電動車椅子・ハンドル型

長い距離の外出を支える選択肢です。操作能力だけでなく、視力・注意・判断、道路環境、保管と充電、公共交通の利用を含めて検討します。

身体に合わせる5つの寸法

1.座幅

狭すぎると骨盤や大腿部を圧迫し、広すぎると身体が横へ崩れやすく、ハンドリムにも手が届きにくくなります。厚い上着を着る季節も想定します。

2.座奥行

深すぎると膝裏が当たり、浅すぎると太ももを支えられません。背もたれへ骨盤を近づけた状態で、膝裏との余裕を確認します。

3.座面高

足こぎをする人は足底が床へ届くことが重要です。足台を使う人は、大腿部が座面へ無理なく支えられ、足台が床や段差へ当たらない高さを見ます。

4.肘掛け高

低すぎると体幹が傾き、高すぎると肩が上がります。テーブルへ入れる高さ、移乗時に外せるかも確認します。

5.背もたれ

高い背もたれは支えが増えますが、腕を動かしにくくなる場合があります。背張り調整ができる製品では、骨盤・腰・胸郭をどこで支えるかを専門職と合わせます。

クッションは「柔らかいほど良い」ではない

車椅子用クッションには、ウレタン、ゲル、空気室などがあります。目的は座り心地だけでなく、圧の分散、骨盤の安定、ずれの抑制です。

  • ウレタン:扱いやすく比較的軽い。へたりや熱のこもりを確認
  • ゲル:身体へなじみやすい製品がある。重さと温度変化を確認
  • エア:圧を分散しやすい製品がある。空気圧の管理とパンク対策が必要

クッションを足すと座面が高くなります。肘掛け、足台、テーブルとの位置関係も再調整します。

試乗で確認したいこと

  • 30分座って痛みやしびれが出ないか
  • 自分でこぐ・止まる・曲がる動作ができるか
  • 介助者が坂道や段差で扱える重さか
  • ベッド、トイレ、食卓へ近づけるか
  • 玄関、廊下、エレベーターを通れるか
  • 折りたたんで車へ載せられるか

介助者が見るブレーキと段差

駐車ブレーキが手の届く位置にあり、しっかり固定できるか確認します。移乗前は両側のブレーキをかけ、足台から足を下ろします。段差では小さな前輪を強くぶつけず、ティッピングレバーの使い方を練習します。

荷物を背もたれへ多く掛けると、後方へ転倒しやすくなります。酸素ボンベや荷物は専用ホルダーなどを検討します。

購入前にレンタル・試用を検討する

介護保険の対象となる方は、車椅子や付属品を貸与で利用できる場合があります。身体状態や住環境が変わったときに調整・交換しやすい利点があります。対象要件はケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ確認してください。

車椅子・クッションの候補商品比較

車椅子本体は、人気や価格だけで選ぶと座りにくさや介助負担につながります。座幅、座面高、移乗方法、介助者の操作、家の通路や車への積み込みまで確認してください。

候補商品 比較したい人 購入前の確認 商品リンク
ケアテックジャパン ハピネスコンパクト CA-10SUC 自走式のコンパクトな折りたたみ車椅子を比較したい 座幅、座面高、全幅、折りたたみ寸法、本人の駆動能力 Amazon・楽天リンク準備中
ミキ BAL-R3 国内メーカーの自走式モデルも含めて比較したい ブレーキ、フットサポート、背張り、移乗時の操作性を試す 楽天市場で見る
ケアテックジャパン コンフォート CAH-20SU 介助式で、持ち運びや介助操作を重視したい 介助者の身長、重量、坂道の制動、段差、収納寸法を確認 楽天市場で見る
タカノクッション Rタイプ1/Sタイプ 長く座るとお尻や姿勢がつらく、クッションを見直したい 座面寸法、厚み、移乗への影響、圧と姿勢を専門職と確認 楽天市場で見る
車椅子本体は試乗・採寸を推奨します。
合わない車椅子は、ずれ・痛み・駆動しにくさ・介助負担につながります。介護保険貸与の対象になる場合もあるため、先にケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ確認しましょう。

まとめ

良い車椅子とは、高価な車椅子ではなく、その人の「座る・動く・移る・出かける」を支える車椅子です。本人ができることを減らさず、介助者も安全に扱える一台を試乗して選びましょう。

荒川区周辺で車椅子や座る姿勢を相談したい方へ

株式会社あしすとでは、生活動作と住環境を見ながら、福祉用具の使い方を一緒に考えます。

株式会社あしすとへ相談する →

参考資料

※この記事には広告を含む場合があります。褥瘡、強い痛み、姿勢の崩れがある場合は、医師・看護師・リハビリ職・福祉用具専門相談員へご相談ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA