寝た姿勢がつらいときのポジショニング|介護クッションの使い方と選び方
横になっているのに、腰や肩が落ち着かない。身体が傾く。かかとが当たって痛い。そんなときは、単に枕を増やすのではなく、身体を面で支える「ポジショニング」を考えると楽になることがあります。
この記事では、理学療法士の視点から、在宅介護で使いやすいクッションの選び方と置き方、安全上の注意を紹介します。
痛み、皮膚の赤み、しびれ、呼吸のしにくさがある場合は、自己判断で同じ姿勢を続けず、医師・看護師・リハビリ職へ相談してください。
ポジショニングの目的は「正しい形」に固定することではない
目的は、身体の一部へ圧が集中しにくくし、呼吸や休息を妨げず、本人が安心して過ごせる姿勢をつくることです。見た目がまっすぐでも、本人が苦しければ良い姿勢とは限りません。
まず確認したい4つのポイント
- 表情と呼吸:力が入り続けていないか、息苦しくないか
- 皮膚:仙骨、かかと、肘、耳などに赤みがないか
- 左右差:骨盤や肩が一方向へ倒れていないか
- ずれ:背上げ後に身体が足元へ滑っていないか
横向きでは「30度くらい」を目安に面で支える
真横の90度側臥位は、肩や大転子へ圧が集中しやすいことがあります。背中側へ長いクッションを置き、少し斜めの横向きにすると、身体を広い面で支えやすくなります。上側の脚を少し前へ出し、膝から足首まで支えると、骨盤のねじれや膝同士の接触を減らせる場合があります。
国際的な褥瘡予防ガイドラインでも、仙骨部と大転子への圧集中を避ける30度側臥位や、上側の脚を前方へ置いて枕で支える方法が示されています。
仰向けでは、膝裏だけを高くしすぎない
膝の下だけに高い枕を置くと、一時的に腰が楽でも、膝が曲がったままになったり、かかとへ圧が残ったりすることがあります。膝だけでなく、ふくらはぎ全体をなだらかに支え、必要に応じてかかとが圧迫されにくい状態をつくります。
介護クッションの選び方
1.細長い抱き枕タイプ
背中、胸、脚をまとめて支えやすく、横向き姿勢の安定に向いています。身体へ沿いやすく、カバーを洗えるものが扱いやすいでしょう。
2.三角・ウェッジ型
角度を一定に保ちやすく、背中側の支えや部分的な除圧に使えます。硬すぎる製品は身体との間に隙間ができるため、体格に合わせます。
3.小型クッション
手、肘、膝の間など細かな調整に便利です。ただし、小さい枕を身体の下へ何個も押し込むと圧が集中することがあります。
4.体圧分散マットレス
寝返りが少ない、皮膚トラブルのリスクが高い場合は、クッションだけでなくマットレス全体の見直しが必要です。介護保険で床ずれ防止用具や体位変換器を利用できる場合があります。
- 本人が自分で動ける余地を残せるか
- 沈み込みすぎず、身体へ沿うか
- 蒸れにくく、洗濯や清拭がしやすいか
- ベッド幅を狭くしすぎないか
- 介助者が無理なく入れ替えられる重さか
よくある失敗
- 本人に確認せず「きれいな姿勢」へ直す
- クッションを高く積み、転落しやすくする
- 皮膚の赤みが残っているのに同じ姿勢を続ける
- 背上げ後の身体のずれをそのままにする
- クッションだけで痛みの原因を解決しようとする
介護保険で利用できる用具もある
厚生労働省は、車いす、特殊寝台、床ずれ防止用具、体位変換器などを福祉用具貸与の対象種目として示しています。要介護度や身体状況によって扱いが異なるため、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ確認してください。
候補商品と選び方の比較
価格や知名度だけで決めず、支えたい場所、体格、ベッド幅、洗いやすさを確認します。以下は用途を比較しやすい候補です。
| 候補商品 | 向いている人・場面 | 選ぶときの注意 | 商品リンク |
|---|---|---|---|
| MOGU ポジショニング用 筒型クッション | 横向きで背中・胸・脚を広く支えたい | 長さ、沈み込み、カバーの手入れ、ベッド上の残り幅を確認 | 楽天市場で見る |
| ナーセントEx ロール100 | 背中側や脚を面で支え、姿勢を細かく調整したい | 体格に合うか、置いた後に呼吸や自力動作を妨げないか確認 | 楽天市場で見る |
| かかと・下腿支持クッション | かかとの当たりが気になり、ふくらはぎ全体で支えたい | かかとだけを浮かせず、膝裏への圧や足首の位置も確認 | 商品リンク準備中 |
| 体圧分散マットレス | 寝返りが少ない、長時間ベッドで過ごす | 身体状況に合う硬さと機能を専門職が評価。介護保険貸与も確認 | 相談・商品リンク準備中 |
※クッションを置いた後は、表情・呼吸・皮膚・ずれを再確認してください。赤みや痛みが続く場合は使用を中止し、医療・介護の専門職へご相談ください。
まとめ
ポジショニングは、形を整えることより、本人が楽に呼吸し、休めて、必要なら自分で動けることが大切です。クッションは便利ですが、置く場所や高さで負担が変わります。表情、呼吸、皮膚、本人の言葉を確認しながら少しずつ調整しましょう。
株式会社あしすとでは、通所介護・訪問看護・ケアマネジャー・訪問リハビリの視点から、生活に合う方法を一緒に考えます。
参考資料
※この記事には広告を含む場合があります。商品は身体状況や環境により適否が変わります。診断や治療の代わりではありません。

