この福祉用具があるから、スーパーへ行ける|WHILL Model Fで広がる外出
「スーパーまで歩ける。でも、帰りの荷物と疲れが心配で、だんだん外出しなくなった」
歩けることと、行きたい場所へ安心して行けることは同じではありません。今回は、近距離モビリティを使って買い物の選択肢を取り戻すまでを考えるモデル事例です。
実在する一人を特定する内容ではなく、在宅支援でよくある困りごとをもとに構成しています。
「一人でスーパーへ行きたい」
78歳のAさんは室内では杖で歩けます。ところが屋外では、往復の距離、横断歩道を渡る速さ、買い物袋を持った帰り道が不安でした。家族は転倒を心配し、Aさんは「迷惑をかけるから」と外出を控えるようになっていました。
ここで大切なのは、「歩けないから車いす」ではありません。Aさんの目的は、買い物を自分で選び、近所の人と会い、帰ってこられることでした。
候補になったのが折りたたみ式の近距離モビリティ
WHILL Model Fは、折りたたんで車に載せたり玄関に収納したりしやすい近距離モビリティの一つです。公式情報では、折りたたみ後の大きさは55.5cm×46.5cm×85.5cm、バッテリー込みの重量は26.7kgと案内されています。
ただし、数値やデザインだけで「これが合う」とは決めません。屋外の路面、段差、保管場所、充電、操作できる手の動き、視力・認知面、家族が車載できるかまで確認します。
PT・福祉用具専門相談員が見るポイント
- 乗り移るときにふらつかないか
- ジョイスティックを無理なく操作できるか
- 自宅玄関、エレベーター、スーパーの通路を通れるか
- 停止・方向転換・段差前で安全に判断できるか
- 歩く場面と乗る場面を本人が選べるか
生活が変わるのは「移動距離」だけではない
Aさんのような場合、最初の目標はスーパーの入口までかもしれません。次は店内で自分で野菜を選ぶこと、近所の知人へ挨拶すること、家族と車で出かけることへ広がることがあります。
本人にとっては「自分で選んだ」「行けた」という自己決定。家族にとっては「付き添わないと危ない」から「安全な条件なら任せられる」への変化です。
注意したいこと
電動モビリティは、歩行をやめるための道具ではありません。歩ける力を生かす場面と、疲労・転倒リスクを減らすために乗る場面を分けて考えます。試乗し、生活動線で練習し、必要に応じて介護保険レンタルの対象や費用をケアマネジャー・福祉用具専門相談員へ確認しましょう。
「この福祉用具があるから」の先へ
福祉用具は生活を小さくするためのものではありません。「今日はどこへ行こう」を増やすための選択肢です。
参考
株式会社あしすとでは、身体機能だけでなく、行きたい場所・家の動線・福祉用具まで一緒に考えます。
※機器の仕様・レンタル可否・費用は変更されることがあります。導入前に販売店・福祉用具専門相談員へ確認してください。

